日本におけるポスト工業社会への移行とその特質 : 「戦後モデル」再編の構造的背景と展開
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概要
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本稿では、レギュラシオン理論を参照しつつ、先進諸国の一般的状況と比較しながら、日本におけるポスト工業社会の移行とその特質を考察した。その結果は以下の3点に要約できる。第1に、日本でも先進諸国と同様に、戦後から1960年代までは「フォーディズム」に特徴づけられた社会経済構造をもつ工業社会であった。第2に、日本では「フォーディズム」的な社会経済構造が1990年代初めまで基本的には持続し、他の先進諸国とは異なる独自性がみられた。第3に、日本のポスト工業社会への本格的な移行は1990年代初めのバブル経済崩壊以降であり、社会経済構造における急速な「市場原理の広まり」がみられた。