心理的リアクタンスにおける自己評価維持の効果
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概要
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本研究では、説得的コミュニケーションにおいて、社会的圧力により心理的リアクタンス喚起された後、唱導方向とは逆方向への態度変容や態度を変化させないといった直接的な自由回復行動ができない場合の行動について、自己評価維持モデルから検討した。自分にとって関与度の高い話題について、心理的に近い他者から説得を受け、心理的リアクタンスが喚起されているにもかかわらず無理やり相手の唱導方向へ態度を変化させられることにより、自己評価の低下の危機となり、自己評価維持のための比較過程が生じるかを検討した。その結果、話題に対する関与度の低下が認められ、比較過程が生じている可能性が示唆された。しかしながら、自己評価は維持されておらず、十分に心理的近さが確保されていなかった可能性と手続き上意見表明がなされてしまっていた可能性があり、今後、より精緻な検討が必要であろう。