父、息子、革命? : 『バッドアス!』(2004年)の制作、興行の過程
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概要
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2004年にリリースされた『バッドアス!』は、マリオ・ヴァン・ピープルズ監督が、父親であるメルヴィン・ヴァン・ピープルズ監督の『スウィート・スウィートバック』(1971年)の制作過程を描いたユニークな作品である。『スウィート・スウィートバック』はアフリカ系アメリカ人のまたは独立系映画史上に残る有名な、前例のない作品であるが、その制作過程についての映画の制作も、独立系の映画制作者がしばしば直面する問題にぶつかった。そのことは逆に父親の映画の精神を受け継ぐことにはなるのだが、『バッドアス!』は『スウィート・スウィートバック』のように興行収入の面では成功しなかった。この論考では、『バッドアス!』の着想から興業までの一連の過程を詳しく追っていくことで、独立系の映画がどのように制作されどのように上映されていくのかを示す。またそこから見いだせるアメリカの(独立系)映画産業の現状や課題についても考察する。