言語産出に関する認知モデルを使った考察 : 強制アウトプットを促進させるアウトプット活動使用の効用性
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概要
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大学における外国語教育の目的は学生のニーズや興味、また大学の方針によってそれぞれ異なるが、概して日本人の学生は話す能力の育成を一番に望んでいると言える。本論文では、二つの言語産出に関わる認知モデルを取り挙げ、アウトプット活動は少なくとも流暢さと文法的正確さを高めることに効用性があることを指摘した。また、アウトプット活動であればどのような活動でも有効であるというわけではなく、強制アウトプット(pushed output)という概念を据えることの大切さも挙げた。最後にアウトプット活動における強制アウトプットの促進を確実なものにするために、Robinson (2001a, 2001b, 2003, 2005)が提唱する、タスクの複雑さ(task complexity)という要素をアウトプット活動に取り入れことの必要性を提案した。