インドネシアにおける大型ODA案件の意義を論じる : アサハン・プロジェクトをめぐって
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概要
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アサハン・プロジェクトとは、インドネシアのスマトラ島にあるトバ湖という、琵琶湖の2倍もある大きな湖が、海抜900メートルの高所にあるという地形上の優位さを利用して、まず水力発電により電力を起こし、それをアルミニウムの製造に使おうという資金総額4110億円に上る巨大なプロジェクトである。トバ湖の電源開発地点としての利用は、すでにインドネシアがオランダの植民地であった100年前ころから注目されていた。インドネシアの独立後、このプロジェクトを日本が、ODA資金も利用し、民間各社が日本の技術の粋を投入して完成したものである。インドネシアにとっても日本にとっても、重要なナショナル・プロジェクトであった。このプロジェクトは当時、日本の対インドネシア援助計画の成功例として各方面から注目されていた。「アサハン」の経験はわが国の対外経済協力、ODAの実施にとって重要な示唆を与えていると考えられる。この歴史的な事業に、住友商事の現地メダンの責任者として関わられた比賀江克之氏(本学経済学部講師)に、秘話にあたる部分、周辺の事情、その後の評価をも含めて、分かりやすくお話を聴くことにした。(2007年11月14日近藤記)
著者
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