術前集団インフォームド・コンセントの試みをもとに行った,国内移植施設における患者への説明・及び教育指導等に関する調査 : S.W.0.Tを用いた米国移植医療応用の分析から(医療保健学部)
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概要
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【背景】臓器移植法が施行されたこの10年で62件の脳死移植が行われた。わが国の移植医療の足踏みは,何が原因か,どこに問題があるのかの明確化が問われている。【対象と方法】日米の移植医療を比較し,現実的な移植医療環境のわが国への応用を目指し,S.W.O.T. (strength, weakness, opportunity, threat)と呼ばれる医療経済学で用いられる枠組みに照らして,社会的背景,医療環境,宗教を含む国民性等を分析した。それをもとに,術前の集団インフォームド・コンセントを試み,国内移植施設において施行した。その結果をもって,国内腎移植施設〔40施設〕・肝移植施設〔24施設〕にて患者への説明および教育指導,携わる職種等の実態調査を行った。【結果】集団インフォームド・コンセントに関する施行後の患者に対するインタビューおよびアンケート調査では,概ね高い評価を得た。また,移植施設調査では,1.レシピエントに比してドナーに対するかかわりが少なかった。2.医師が多くの役割を担っていた。3.腎移植と肝移植の差異が明確になった。【考察】わが国の社会的背景は,米国と大きく状況を異にするものであったが,応用した集団インフォームド・コンセントは,患者から高い評価を得た。これは,患者間連携の有用性を示していると思われる。【結論】今後は移植施設のみならず,透析施設における医師の情報提供や説明に関する調査によって,さらなる課題が明らかになると思われる。
著者
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