英語教育再構築論考(問題提起篇) : 言語獲得(習得)に関する伝統的な生得・経験論争から基底的英語学習仮説/原理を考える
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概要
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言語獲得理論に関する生得論的立場のChomskyによる経験論的立場のSkinner批判(Chomsky、1959)以降、言語獲得が人間特有な心的構造によって達成されるという認識が一般化している(照井・高橋、2006)。しかし、近年、コンピュータサイエンスを含む分野からの反証や認知言語学からの提案など、Chomsky派の言語獲得仮説が見直される流れがあるのも事実である。そこで、本稿では、生得性への反証も加えて考察し、それによって、第二言語習得に有効な資料を得ようと試みるものである。考察は、まず生得性の根拠を確認し、次いで批判的検討を加え、生得性の容認度合を推測する。最終的に、外国語教育に有効な基底的な学習仮説と原理を考察するものである。なお、本稿は、一篇の独立した論考ではなく、別稿にて考察が継続される「日本における有効な英語教育構築に関する論文」の中心的課題となる問題提起を提示する'preliminary study' (予備的考察)という位置付けにある。