介護者が自宅での看取りを希望することに関連する要因の検討
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概要
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わが国では急激な高齢化を迎え,高齢者の終末期ケアのあり方を含めた看取りの問題が重要な課題となっている.本研究では,自宅での看取りに関連する要因を明らかにすることを目的とした.A県内全域の訪問看護サービスを利用している療養者と介護者にアンケート調査を行い338組を分析対象とした.多重ロジスティック回帰分析を用い,介護者の自宅での看取り希望に関連する要因のオッズ比を求めた.介護者の自宅での看取り希望に関連する要因は,1)要介護度が重度であること,2)療養者が自宅での終末期を希望していること,3)介護者が抱く病院の看取りイメージが悪いこと,4)介護者が抱く自宅の看取りイメージが良いこと,5)介護者自身の終末期を迎えたい場所が自宅であることであった.今後,自宅での看取りを可能にするためには,療養者の意向を認識できる支援や,介護者が安心して看取りたいと思えるような社会的支援が重要であると示唆された.