日本語教育における「日本文化」についての理論的・実践的考察 : クリティカルペダゴジーの視点から
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概要
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言語と文化は密接に関係しているが、近年の日本語教育分野において「文化」を授業に取り入れる重要性が広く議論されている。また、クリティカルペダゴジーの立場から、一般的に教えられている「日本文化」が固定的で典型的な日本のイメージを助長するものであると問題視する声があがっている。文化は静的・固定的なものではなく、動態的で多様的なものとしてとらえるのが主流となってきている。つまり、日本文化を教える場合、その多様性を無視することはできないということになる。その点を踏まえ、本稿では「日本語教育における文化教育」について理論的・実践的の面から多角的に考察する。まずは4つの主な文化論を通して文化のとらえかたの多様性を示す。次に、クリティカルペダゴジーの立場から日本語教育における文化的要素を検証した先行研究について述べる。最後に「批判的視点から文化を取り入れた」授業報告をする。以上の点を通して、批判的視点を踏まえた「文化」を日本語教育へ取り入れていく提言をしたい。