「地球市民教育」を目指す日本語教育の試み : 「上級2 話し方・聴解」コース、インタビュー・プロジェクトの報告
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概要
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本稿は「上級2話し方・聴解」コースにおいて、地球市民教育を目指す日本語教育の試みとして行ったインタビュー・プロジェクトの実践報告である。まず、その実践の基本的理念となった「地球市民教育としての日本語教育」という概念について紹介し、今後日本語教育が目指すべき方向性について述べる。上級2は学生たちにとってこれまでの日本語学習の総決算的な意味合いを持ったコースであり、筆者は、このインタビュー・プロジェクトに、「初対面の人に待遇表現を用いてインタビューする」「地球規模の問題について様々な角度から深く考えるためにインタビューする」という二つの目標を設定した。具体的には、南北問題を解決するための取り組みの一つである「フェア・トレード」をコースの統一テーマに、学生たちはそれぞれが設定した小テーマを明らかにするためのインタビュー・プロジェクトに取り組んだ。本稿では、その一連の活動を、段階を追って詳細に報告する。さらに、プロジェクト終了後に実施した学生たちへのアンケートを分析し、最後にこの実践が示唆することと今後の課題について論じる。