徳川幕府刑法の特色と概況 : 殺し、盗み、火付の事例
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概要
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本稿は「日本文化論」(持講を含む)を講述して行くに付、就中、日本法文化史的側面のうちで徳川幕藩体制下の刑事法分野における特色、刑罰体系、犯罪の事例(今回は殺人、盗罪、放火についてのみ)裁判制度等を理解する上で、最低限度知っていなければならない事項の概況について記述したものである。これは、前々よりその必要性を感じていた受講生の便宜のために用意したものである。拙著の「日本法制史概説」(芦書房)「日本法制史」(高文堂出版社)「公事方御定書百ヶ条」(高文堂出版社)「日本法制史史料60選」(芦書房)「江戸の犯罪と刑罰」(高文堂出版社)等の自著を基盤に拙者がまとめ記述した別冊歴史読本特別増刷「鬼平犯科帳のすべて」(新人物往来社)収録の「犯罪類型別・大江戸犯罪録」の内、前半よりの一部加筆変更して引用したものである。尚、「殺人」「盗罪」「放火」についての犯罪に関する具体的事件内容や適用刑罰については、総て、「御仕置例類集」「徳川禁令考」に収録してあるもの(原文は漢文調の幕府公用文)を筆者が現代文的に訳して引用しているものである。一部難解の処はニュアンスを加えて詳述・加筆してある処もある。
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