ハーディネス尺度の構造およびその精神的健康との関連 : 中高年と大学生を対象として
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概要
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目的:ハーディネスは,ストレスが精神的健康に及ぼす影響の緩衝要因として海外で数多く研究されているが,日本での研究は少なく,日本語版の尺度の信頼性と妥当性は検証が不十分である.本研究では,中高年と大学生を対象に,日本において最も有用と考えられる多田・濱野の15項目版ハーディネス尺度の構造,および精神的健康との関連を検討する.対象:関東圏に住む中高年向け会員制雑誌の50歳以上の購読者とその知人の合計750名と,関東圏の大学に在籍する大学生164名であった.方法:多田・濱野の15項目版ハーディネス尺度により調査対象者のハーディネス特性を,日本語版GHQ短縮版(GHQ12)により精神的健康を測定した.結果:因子分析の結果,全ての世代および性別で,おおむね同様の3因子構造が確認された.重回帰分析の結果,GHQ12に対してコントロールとコミットメントは負の影響を,チャレンジは正の影響を与えていた.考察:本調査で使用した15項目版ハーディネス尺度の信頼性と妥当性が確認された.コントロールとコミットメントは精神的健康を高め,チャレンジは阻害するという結果が示された.