体格と生活習慣が中高年女性の骨塩量に及ぼす影響
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概要
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目的:中高年女性の骨塩量に関連する因子を,現在ならびに思春期の頃からの体格の変化,生活習慣から解明する.対象:健康診断で骨塩量測定を受けた40代〜60代の女性のうち,調査に同意の得られた201名.人工閉経のケースは,質問紙回収後に除外した.方法:既存の骨粗鬆症検診問診票に骨塩量値,思春期以降の身長・体重,運動習慣の有無等を項目に加えた自記式質問紙を作成し,待合室で配布,郵送法または測定後の手渡しにて回収した.骨塩量測定は,非利き手の橈骨遠位1/3部におけるDXA法による.結果:回収数201名,回収率61.3%.人工閉経ならびに回答不備を除き,有効回答183名(有効回答率91.0%)であった.月経あり群では,肉の摂取頻度が高く,魚介類・小中学校時代の牛乳の摂取頻度が低く,現在運動習慣がない方が骨塩量は低値になる傾向が見られた.閉経後5年未満群では,魚介類・牛乳の摂取頻度が高い方が骨塩量は低値になる傾向が見られた.また,結婚した頃のBMIと骨塩量との間にやや強い負の相関(r=-0.429)が認められた.閉経後5年以上群では,魚介類の摂取頻度が高く,既往歴・現病歴があり,満年齢が高く,現在のBMIが低い方が骨塩量は低値になる傾向が見られた.結論:体格に関する因子-閉経後5年未満群で,結婚した頃のBMIと骨塩量とにやや強い負の相関を認めた.今回の対象では,思春期〜20代前半でのダイエット経験との関連は証明されなかった.生活習慣に関する因子;食習慣-閉経後の2群で魚介類・牛乳の摂取頻度が高い方が,月経あり群で肉類の摂取頻度が高く,魚介類・小中学校時代の牛乳摂取頻度が低い方が骨塩量は低値になる傾向を認めた.運動習慣-月経あり群で,現在運動習慣のない者の方が骨塩量は低値になる傾向を認めた.