カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジにおける職業訓練プログラム : 福祉受給者向けプログラムを中心に(<特集>アメリカ・モデルの福祉国家)
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概要
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本稿の課題は,カリフォルニア州のコミュニティ・カレッジの労働力仲介機関としての機能の分析である.1996年福祉改革をはじめとする1990年代のアメリカ福祉の再編の過程で,ワークフェアのなかの就労最優先アプローチが強まっている.しかし,連邦レベルではなく地域レベルでみると,連邦レベルの就労最優先アプローチの政策に従いつつも,そのなかで最大限に訓練や教育を活用する人的資本アプローチの方策がとられていることがわかる。その訓練や教育の担い手の一つがコミュニティ・カレッジなのである。他方で,近年,低賃金労働者やワーキング・プアに焦点があてられて,そうした人々のキャリア・ラダーの欠如が問題とされている。本稿ではCCCCalWORKsプログラムを事例として取り上げた.CCCCalWORKsプログラムは,包括的な支援を行い,参加者のキャリア・ラダーを構築するという点では,限界はあるものの一定の成果はあったと評価できた。