子どもの育ちへのNPOの貢献 : 地域子育て支援の事例から
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概要
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地域において,子どものソーシャル・ネットワークを作る支援活動が広がってきている。本稿では,NPO法人子育て支援の会「サポートあい」の実践事例を分析することにより,子どもの育ちの地域支援を組み立てる際のポイントを探るとともに,サポートあいの現在の地域への貢献と今後の課題を明らかにしたい。活動形成のプロセス分析においては,地域のボランティアとスーパーバイザーが協力し,子どものニーズに沿って柔軟な支援を開発し,地域のネットワークを丁寧に広げていったことが明らかとなった。また,現在の貢献としては,子どもを中心に,地域の様々な人々が集う「地域子どもサロン」として機能していること,一連の子ども支援において,予防的実践から機関協働実践までの広範囲な役割を果たしていることを把握できた。今後の課題としては,サポートあいが発見したより深刻な状況にある子どもの育ちを支えるため,地域の子どもに関わる専門職,とりわけ児童ソーシャルワーカーが効果的支援を実践する力量を高めること,地域の先駆的実践を公的支援として組み立てていくことが浮かび上がった。