学生生活の満足感とアイデンティティ形成の間をつなぐもの -充実感からのアプローチ-
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概要
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本研究の目的は、学生生活に対する満足感や充実感が自我同一性の形成・確立とどのような関係にあるのかを明らかにすることである。2007年7 月に、関西地方の都市部にある4年制私立大学の学生377名(男子178名、女子199名)を対象に質問紙調査を実施した。質問紙に用いた尺度は、多次元自我同一性尺度、アイデンティティ確立尺度、充実感尺度の3 種である。これらの尺度における各因子の相関を調べた後、学生生活満足感・充実感をそれぞれ独立変数に、自我同一性の形成・確立を従属変数として重回帰分析を行った。その結果、自我同一性の形成・確立に強く影響を与える要因は充実感であることが明らかになった。一方、満足感、なかでも学業と友人関係に対する満足感は、自我同一性の形成・確立と相関はあるものの、むしろ充実感を規定する要因となっていることが分かった。以上のことより、学業と友人関係への満足感を中心として形成された充実感は、自我同一性の形成と確立に大きな影響を与えることが示唆された。
- 大手前大学・大手前短期大学の論文
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