構造解析の基礎と実際、そして、構造物性の最前線(第53回物性若手夏の学校(2008年度),講義ノート)
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概要
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Materials Scienceの研究を進める上で、対象物質の格子構造を知ることは大変重要である。特に、遷移金属酸化物や遷移金属錯体における、電子のトランスファー積分や交換相互作用の符号や大きさ、d軌道の安定性、といった物理量は、遷移金属と配位子との結合長や結合角、遷移金属の配位環境に強く支配されている。本講義では、構造物性研究により深く親しんでもらい、使えるX線回折・中性子回折を学んでもらいことを目的としている。さらに、構造と物性との密接な関係や、第三世代放射光X線光源(SPring-8)における最先端の最先端構造研究の紹介をする。講義の前半では、構造解析の基盤知識である、結晶構造の概説とX線回折/中性子回折の基礎を講義する。さらに、使えるX線回折・中性子回折を目指して、Rietveld解析の実際を紹介する。ノートPCを持参してもらえれば、Rietan 2000をインストールして粉末構造解析を体験できる。講義の後半では、これまでの研究を紹介しながら、構造と物性との密接な関係を議論する。特に、中性子構造解析や高輝度放射光X線を利用した高圧下構造解析による、構造パラメターと物性との関係を議論することが可能となった。さらに、SPring-8で行っている光照射下における動的相転移状態の構造決定や時間分解X線回折についても言及する。
- 2009-02-20
著者
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