ワンセグ用周波数可変回路一体型チップアンテナ
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概要
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ワンセグ用の携帯機器に内蔵する小型アンテナの実現のため,はじめにチップ誘電体アンテナの整合回路部に周波数可変機能を用いた場合に必要とされるリアクタンス変化量について検討した.その結果,このような整合回路に可変リアクタンス回路を用いて周波数を可変させる場合には,大きな容量変化比を持つバリキャップダイオード等が必要になるとともに可変リアクタンス回路部の損失がアンテナ性能の劣化要因となり得ることを明らかにした.そこで,セラミックスを用いたチップ誘電体アンテナの放射電極上に可変リアクタンス回路を形成した周波数可変機能付きの表面実装型の周波数可変回路一体型チップアンテナを提案するとともに,その効果について明らかにした.この周波数可変回路一体型チップアンテナは,外部から0〜6Vのチューニング用のDC電圧を加えることにより,容易に周波数を可変することが前能である.しかしながら近年の携帯機器においては低電圧化要求には著しいものがあり,この周波数可変回路一体型のチップアンテナのチューニング電圧を低電圧化するには限界があった.そこで新たに放射電極形状と可変リアクタンス回路部を工夫して2つの共振をワンセグの周波数帯域内に形成することでチューニング電圧が0〜2.8Vにて,それぞれ470〜650MHz,600〜770MHzをカバーする独自の周波数可変回路一体型チップアンテナを開発したのであわせて報告する.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2008-12-05