たこつぼ型心筋症を発症した気管支喘息重積発作の1例
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概要
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症例は51歳代女性.咳嗽・呼吸困難のため近医に入院し,気管支喘息発作の診断で気管支拡張剤や副腎皮質ステロイド薬の点滴治療を受けたが改善は思わしくなかった.エピネフリンは使用されていない.翌日の心電図上,II・III・aV_F,及びV_<2-6>誘導でST上昇し心筋梗塞が疑われ当院循環器科に転院.冠動脈造影にて有意狭窄はなく,左室造影にてたこつぼ型心筋症と診断した.血中カテコラミン3分画はいずれも高値であった.喘鳴増強,呼吸不全進行したため人工呼吸管理を開始.心エコー上,徐々に左室壁運動は改善し,第4病日に心電図上のSTレベルは基線に戻った.呼吸不全の原因は気管支喘息と考え当科転科の上,メチルプレドニゾロン500mg/日を3日間使用後,プレドニゾロン60mg/日とし徐々に減量.第15病日に抜管し,吸入ステロイド薬を導入した.現在気管支喘息は安定しており,心エコー上壁運動は正常である.気管支喘息発作というストレスが血中カテコラミン動態に影響を及ぼし,たこつぼ型心筋症を発症したと考えられた.
- 2009-01-30
著者
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