結合血糖ノニ本態ニ關スル研究補遺(第1報) : 結合血糖ニ對スル蛋白消化酵素ノ影響ニ就テ
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概要
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結合血糖ノ本態ニ關スル先人ノ業績ハ甚ダ多シト雖モ未ダ決定ノ域ニ達セズ.然レドモBierry等ノ云フガ如ク蛋白ト還元糖トノ結合物質ナラント信ズルモノ丶多キヲ思ハシム.果シテ氏等ノ所説ノ如クンバ之ニ蛋白消化酵素ヲ作用セシムル時ニハ,蛋白體トノ連結ガ破壤セラレテ還元糖ガ遊離スルカ,或ハ喩ヘ還元糖トシテ完全ニ遊離セズト雖モ蛋白ノ分解産物例ヘバあみの酸等ト尚ホ結合セル,分了量ノヨリ小ナル,ころぢゆうむ膜ヲ透過シ得ル非還元性物質ヲ生ズルナラン.余ハ之ヲ解決セントシテ新鮮馬血漿ニぺぷしん,とりぷしん,(とりぷしん,ぱんくれあちん,ぱんくれあす越幾斯)及ゑれぷしん(牛腸粘膜ぐりせりん越幾斯)ノ三者五種ヲ作用セシメテ遊離血糖及ビ結合血糖ノ消長ラ檢シ,一方ころぢゆうむ膜ヲ以テ透柝試驗ヲ施行シ結合血糖ノ透過性ヲ檢シテ次ノ成績ヲ得タリ.1)ぺぷしん及ビとりぷしんニヨリテ結合血糖ハ遊離糖ニ迄分解セラル丶ニ到ラズ.2)反之ゑれぷしんハヨク蛋白ト糖トノ結合ヲ分解シテ還元物質ヲ遊離ス.3)とりぷしんノ作用ヲ受ケテ結合血糖ハ未ダ還元性ヲ有スルニ到ラザルモ容易ニ透柝シ得ル分質ニ迄分解セラル.4)ゑれぷしんノ消化ニヨリテ還元糖ノ遊離スルハ既述セル所ナルモ殘餘ノ部分ハ容易ニ透過シ得ル非還元性物質ニ迄分解セラル.5)結合血糖ハ蛋白消化酵素ノ作用ヲ受ケテ先ヅ蛋白ト糖トノヨリ小ナル分子量ノ結合物ニ迄分解セラレテ容易ニ透柝シ得ル物質トナリ,次デゑれぷしん,或ハゑむるじん其他ノ酵素ニヨリテ非還元性分子ト糖分子トノ連結ガ切斷セラレテ還元物質ヲ遊離スルモノニアラザルカ.6)蛋白消化酵素ニヨリ結合糖ヨリ分離スル此ノ還元物質其者ノ本態ニ關シテハ今後尚ホ檢索ノ要アリ.
- 京都府立医科大学の論文
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