温度ノ副腎あどれなりん含量及ビ肝臓並ニ筋肉ぐりこげーん含量ニ及ボス影響ニ就テ
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概要
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既報ノ如ク蝦蟇副腎あどれなりん含量ハ歳時ニヨリソノ含量ヲ異ニス即チ覺醒期ニハ一般ニ少ナク冬眠前ヨリ漸ク増加シ冬眠中ニソノ最大ヲ示ス且ツ斯クノ如キ副腎あどれなりん含量ノ動搖ハ内臓神經切斷ニヨリ抑制セラル丶モノナルコトモ余ノ又發表セル所ナリ。一方冬眠動物ノ冬眠現象ガ外界温度ノ低下ノミニ基因セザルコトハ殆ンド疑フノ餘地ナキガ如キモ然カモ尚ホ外界温度ト密接ノ關係ニアルハ又否ムベカラザル事實ナリ。茲ニ於テ余ハ蝦蟇ノ覺醒期殊ニ盛夏ノ候ニ本動物ヲ低温度ニ保ツコトニヨリ又冬眠中ニ本動物ヲ高温度ニ放置スルコトニヨリ副腎あどれなりん含量ハ如何ニ變化スルヤ併セテ此ノ場合ニ於ケル肝臓並ニ筋肉ぐりこげーん含量ヲ測定セリ。實驗例ノ小數ナル爲メ斷定的結論ハ下シ難キモ正常兩側内臓神經切斷及ビ一側内臓神經切斷蝦蟇ヲ夏期ニ冷藏庫中ニ保チ冬眠中ニ孵卵器中ニ保チ實驗スル結果ニヨレバ、一、副腎あどれなりん含量ニハ餘リ影響ヲ有セザルガ如キモ一般ニ寒冷並ニ温暖ヲ作用セシメタルモノハ正常蝦蟇ニ比シ其ノ含量ハ減少ノ傾向ヲ有スルモノノ如ク、内臓神經切斷蝦蟇ニ於テハ寒冷ヲ作用セシムル際ハ對照ニ比シ稍々大、温暖ヲ作用セシムル際ハ稍々小ナルモノノ如シ。二、肝臓ぐりこげーん含量モ寒冷ヲ作用セシメタル時ハ其ノ成績不定ナルモノノ如クケレドモ温暖ヲ作用セシメタル時ハ常ニ減ス。三、筋肉ぐりこげーん含量モ寒冷ニ對シテハ大差ナキガ如キモ内臓神經切斷蝦蟇ニテハ微量ナガラ増加ノ傾向ヲ有ス、温暖ヲ作用セシムル時ハ餘リ影響ナキカ又ハ稍々減少スルガ如シ。要スルニ正常兩側並ニ一側内臓神經切斷蝦蟇ニ對スル寒冷並ニ温暖ノ影響ハ餘リ影響ヲ有セザルガ如ケレドモ若シ有リトセバ寒冷ヨリ寧ロ温暖ノ作用ノ大ナランカ、尚ホ今後ノ研究ヲ要ス。
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