血液結合糖ノ微量測定法
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概要
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血中結合糖ノ存在ハ既ニ一八五五年Figuierノ業績ニ胚胎シ,其後多數ノ研究家ニヨリ確認セラル.Bierry等ハコレヲSucre proteidiqueト命名シ,萄葡糖ト蛋白質トノ結合ナリト力説ス.コノ見地ハPavy,Macleod等モイダケル所ナリトス.從來報告セラレタル結合血糖ノ測定ニハ數種アリ.サレド現今尤モ多ク使用セラルヽハ,酸ヲ以テ血液ヲ加水分解シ,コレヨリ遊離糖量ヲ減ジテエタル差ヲ以テスルモノニシテ,特ニBiervy等ノ法ニヨルモノ多シ.サレド氏等ニヨル時ハ一回ニ要スル血量頗ル多キヲ以テ(一回四〇一五〇竓)檢索ノ範圍甚シク限定セラル.コノ故ニ著者ハ一新微量測定法ヲ考案セリ.今コレヲBierry法ニヨルモノト相比スルニ,全糖量,遊離糖量,結合糖量ニオイテ,ソノ差(±)〇・〇〇四ニスギズ.而シテ著者法ニヨル誤差ノ範圍ハ〇・〇〇四ナルヲ以テ兩者ノ差ハ誤差ノ範圍ニ入ル.今遊離糖量ヲHagedorn-Jensen,法ニヨリ測定スル時ハ僅ニ血液二一三竓ニテタルヲ以テ,連續的檢査或ハ小動物ノ實驗ニ應用シウベシ.現今タトヘ結合血糖ノ生理的,ハタ病理的意義ニ尚未詳ノ事項多シトイヘドモ,サレド吾人ハ臨床上,或ハ幾多ノ動物實驗ニオイテ,結合血糖ノ關與スル所甚深キヲ知ルガ故ニ必ズヤ這般ノ消息ノ闡明セラルベキ期ノ遠カラザルヲ信ズ.今後ヨリヨキ測定法ノ發表セラレ,現今尚暗夜ニ彷徨スルガ如キ觀アル結合血糖ノ研究ニ光明ヲ投ジ,且ツコノ領域ニオケル業績ノ續出センコトヲ切望ス.
- 京都府立医科大学の論文
著者
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