屋内電力配線における隠れたアンテナ電流スイッチ分岐におけるモード変換(EMC対策/一般)
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概要
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広帯域電力線搬送通信(PLC)では、コンセントから入力された差動モード(DM)信号が電力線網に分布する不平衡要素によってコモンモード(CM)電流に変換されたものが漏洩電磁界の主要な原因と考えられる。そのモード変換の指標として、コンセントで測ったLCLがよく使われる。ところが、電力配線上で発生したCM電流が全てコンセントに現れるわけではなく、コンセントには現れない隠れたCM電流が存在する。その代表的なものは折り返しダイポール効果である。ここでは、屋内電力配線の中で代表的な不平衡要素であるスイッチ分岐におけるモード変換を解析し、分岐内に局在して幹線には現れないアンテナ電流の存在をより一般的な条件下で明らかにする。このアンテナ電流は輻射には寄与するが、コンセントで測ったLCLやCM電流には寄与しない。従って、コンセントLCLがPLCによる漏洩電界強度の指標になり得ないことは明らかである。敢えてLCLに換算すれば、スイッチ分岐におけるDM電流からCM電流への変換損失の最小値は-6dBであり、それにコンセントから分岐までのDM伝搬損失(最小は数dB程度)を加えた、0dB前後が有効LCLとなる。
- 2008-11-13
著者
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