学問と社会および宗教学と現代(現代社会における宗教学の役割を問う,<特集>第六十七回学術大会紀要)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
学問の社会的役割として重要なことは、現行の社会の問題点を指摘し、あるべき社会のあり方を描き、問題解決の方法を提供していくことにあろう。現代社会における宗教学の役割は、現代社会がかかえているもっとも重要な問題から照らし出されると思われる。では、現代社会におけるもっとも重要な課題とは、何であろうか。その一つに、地球社会のサステイナビリティの問題がある。それは、環境問題のみならず、一部先進国による開発途上国等の抑圧・支配という問題をも含むものである。この問題の根本は、結局は、対象的・分割的な人間の理性の、ゆきすぎた尊重に基づくものといえる。これに対し、宗教の人間観・世界観は、超越的世界の契機や関係主義的世界観などをしばしば説く。それは現代社会を超克する、本来の人間社会のあり方を示すであろう。宗教学はそのことを適切に明かすことによって、社会と個人に多くの示唆を与えることができるはずであり、そこに「現代社会における宗教学の役割」の重要な一つがあると思われる。
- 2009-03-30
著者
関連論文
- 日本仏教とエコ・フィロソフィ(宗教とエコ・フィロソフィ-東洋の宗教伝統を中心として-,パネル,第六十八回学術大会紀要)
- 自己と曼荼羅とサステイナビリティ (総集編 「サステナ」は何を伝えてきたのか)
- 学問と社会および宗教学と現代(現代社会における宗教学の役割を問う,第六十七回学術大会紀要)
- 公開講演 『成唯識論』の縁起思想
- 神儒仏三教による意見交換 (第一回神儒仏三教合同シンポジウム 他者への関心)
- 一人子のように慈しむべし--仏教の自他不二の思想から (第一回神儒仏三教合同シンポジウム 他者への関心)
- 空海の人間観をめぐって--「己心の中の曼荼羅」という思想
- 晩年の道元の坐禅観
- 「起信論」の「本覚」理解への一視点 : 無始世来の利他用の思想を尋ねて
- サステイナビリティと共生思想
- 市民公開フォーラム 「サスティナビリティーと共生のこころ」 対談「日本的霊性と共生」
- エコ・フィロソフィが目指すもの (総集編 「サステナ」は何を伝えてきたのか) -- (座談会・討論会 総集編)
- 東洋大学「エコ・フィロソフィ」学際研究イニシアティブ (特集 エコ・フィロソフィを提唱する--東洋大学の発信)
- 座談会 エコ・フィロソフィが目指すもの (特集 エコ・フィロソフィを提唱する--東洋大学の発信)
- 華厳経--覚りの風光 (特集 初めての入門)
- 華厳思想のキーワード (特集 華厳経入門 東大寺大仏の教え)
- 法蔵の「蓮華蔵世界」観をめぐって
- 西田幾多郎の仏教--真宗との関わりを中心に
- サステイナビリティ学と人文科学
- 第三部 大乗仏教の教え (特集 これでわかる仏教の基礎)
- 大乗仏教に見る平和への道
- ベルナール・フランク著, 仏蘭久淳子訳, 『日本仏教曼荼羅』, 藤原書店, 二〇〇二年五月三〇日刊, 四六判, 四一四頁, 四八〇〇円
- 仏性思想の東アジア的展開(第62回学術大会パネル発表報告)
- サステイナビリティ学と仏教思想
- 仏教の「知」に魅せられて
- 八字以上 (特集 禅語百選--生き方・考え方を一変させる禅の真髄)
- シリーズ往復書簡「生命への問い」--仏教と科学の接点を求めて(9)場所的存在感情から歴史創造の主体へ
- 往復書簡「生命への問い」--仏教と科学の接点を求めて(7)自己の構造 場所の論理と華厳の世界観
- シリーズ往復書簡「生命への問い」--仏教と科学の接点を求めて(5)仏教が提示する人間と自然の関係性
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(30)
- 道元における禅的実存の理路
- 大拙の道元観
- 懺悔門(10・最終回)宗教と懺悔
- 清沢満之と寸心・大拙
- 西田幾多郎と真宗
- 上田閑照監修/北野裕通・森哲郎編集, 『禅と京都哲学』, 京都哲学撰書別巻, 燈影舎, 二〇〇六年八月三〇日刊, A5判, 五二四頁, 四三〇〇円+税
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(29)
- シリーズ往復書簡「生命への問い」--仏教と科学の接点を求めて(3)言語といのち 分節・実体化と事的世界観
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(28)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(27)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(26)
- シリーズ往復書簡「生命への問い」--仏教と科学の接点を求めて(1)仏教と科学その要素還元主義の立場をめぐって
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(25)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(24)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(23)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(22)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(21)
- 「信心の業識」について
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(20)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(19)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(18)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(17)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(16)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(15)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(14)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(13)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(12)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(11)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(9)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(9)
- 「縁起」と「共生」--仏教の視点から
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(8)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(7)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(6)
- 仏教の視座から (特集 宗教における『信』の諸相)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(5)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(4)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(3)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(2)
- 現代においては可能か--中村元と仏教 (特集 いま中村元を読む)
- 重々無尽のいのち--『華厳五教章』を読む(その1)
- 「事事無礙法界」と「場所」--『五教章』「十玄門」の理路を辿って
- 高田信良著, 『宗教の教学 : 親鸞のまねび』, 法藏館, 二〇〇四年五月三〇日刊, A5判, 二八二頁, 三八〇〇円+税
- 般若心経--覚りへの道 (特集 初めての入門)
- 現代社会と宗教の役割
- 仏教--その読みかえの精神史 (特集:宗教のエッジを行く)
- 鈴木禅学への一視点--個と超個の思想をめぐって
- 良寛さまの法華経(3)
- 禅と浄土--大拙の仏教観に学ぶ
- 良寛さまの法華経(2)
- 良寛さまの法華経(1)
- 環境倫理と宗教思想―仏教思想の課題について
- 公開講演 『成唯識論』の縁起思想
- 書写山の一遍上人
- サステイナビリティ学と人文科学
- 己事究明としてのエコ・フィロソフィ
- 『エコ・フィロソフィ研究』第4号の刊行に寄せて
- 仏教の環境観について
- 空海の人間観をめぐって--「己心の中の曼荼羅」という思想
- 多元化社会の中の宗教哲学 : 仏教から西田哲学へ
- 『エコ・フィロソフィ研究』第3号の刊行に寄せて