アメリカ鉄道会社における複会計システム
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概要
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本稿は,アメリカ鉄道会社で実践された複会計システムを検討している。複会計システムは,現在の貸借対照表を一般貸借対照表と資本勘定の2表に分割し,収益勘定(損益計算書)と併せた3つの財務諸表を中心とする。資本勘定は,貸借対照表固定区分を収容し,一般貸借対照表は,貸借対照表流動区分を収容する。複会計システムは,イギリスの1868年鉄道規制法によって制度化され,公益事業会社を中心に強制適用されていった特異な財務報告体系をいう。 従来,複会計システムは,アメリカ鉄道会社では採用されなかったというのが一般的な見解であった。しかしながら,19世紀末葉に,複会計システムによる財務報告を行った鉄道会社が数社存在している。本稿では,Norfork and Western Railroad Companyを俎上にのせ,同社における複会計システムの特質,およびイギリスとアメリカの複会計システムを比較し,その変容を検討している。
- 2009-06-11
著者
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