アイヌ民族の表象に関する考察 : 博物館展示を事例に
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概要
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本論では、国内21ヶ所の博物館におけるアイヌ民族に関する博物館展示を調査して、その内容を把握するとともに、現場にたずさわる関係者をインタビューして、問題点とその背景を明らかにする研究である。アイヌ民族に関して「伝統」を強調する展示により、アイヌ民族を過去に閉じこめ、永遠の未開性を演じさせる仕掛けになっている、あるいはアイヌ民族は現在いるかどうかということを曖昧にしていることを指摘する。展示を改新する方法として、博物館関係者の横のつながりとしてのネットワークと、当事者であるアイヌと博物館関係者のコミュニケーションの場を設けることを提案する。