企業統治と経営成果の関連性 : 日本・アメリカ・ドイツの比較による視点
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概要
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本稿は日本、アメリカ、ドイツの永続的業績を示してきた企業の特質を顧客満足度の極大化とこのための手段としての従業員福祉重視にあるとする仮説により、いくつかの事例によりこれを証明した。次にこれら三国において優れた企業統治を実践していると考えられる企業についてその業績との関連性を考察した。その結果、優れたとされる企業統治にもかかわらず、業績の低迷、不祥事発生などが生じていることが明らかとなった。以上の結果、永続的な経営成果に貢献する要因は上述の価値観を企業理念とし、これに対応する企業文化の共有であるという中間的結論に達した。もとよりこの結論は企業統治の役割を否定することを意味せず、それは企業が危機的状態に陥った場合に最高経営責任者の更迭することにあると考える。