戦争遺跡のアーカイブと歴史教育おける活用 -秋田県を事例として-
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概要
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今日,戦後60年を越える年月を経て,「ヒト」から「モノ」へ,確実に戦争の記憶や記録,痕跡が移行していく中,体験者の持つリアリティーに迫る理解・共感可能な学習をどのように展開していくのかは歴史教育の重要な課題となっている.本研究では,戦争遺跡に注目し,まず現在の全国における戦争遺跡について,特に文化庁を中心とした「近代追跡調査」による取り組みを整理するともに,その類型的分析を試みた.また,秋田県を事例に,同様の類型的分析を試みた.さらに,そうした戦争遺跡のその学校教育における学習材としての活用について,秋田県を事例に取り上げ,特に土崎空襲を題材にした小・中・高校のそれぞれの実践,すなわち,文化祭において戦後60年(土崎空襲60年)を機に全面的に取り上げた秋田中央高校,沖縄への修学旅行と関連させ,沖縄と土崎との比較研究を取り入れた下浜中学校,「総合的な学習の時間」で体系的に取り組んでいる土崎南小学校と港北小学校について検討した.