一大学の看護学生の地域看護学実習 I における家庭訪問の学びの過程と内容
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概要
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近年, 保健師看護師統合カリキュラムを採用する看護系大学の増加や実習施設を取り巻く環境の変化により, 実習の運営は年々厳しくなってきている. 地域看護学実習のうち, 家庭訪問は, 個人や家族, 集団, 地域の健康課題を生活や社会環境と関連づけて学ぶ基本的な実習項目として位置づけ, 体験できるように進めてきた. 今回, 平成19年度の地域看護学実習における状況と家庭訪問記録シートの記録の記述を訪問種別ごとに意味内容を整理してみた. その結果, 学生は対象と出会う前に, 今までの生活や実習体験を基に家庭訪問をイメージし, 実際の場面での違いに驚き, 受け入れて, 対象の特性にあった援助を模索しようとしていた. また指導保健師をモデル的存在として保健師の役割と機能について学び, グループ間で深めようとしていた. だが, 保健師が行う家庭訪問の機能を1回の同行訪問で全て学ぶことは困難さが伴う. 実習記録シートの記述から得られた家庭訪問の学びの過程と内容は, 今後, 個人やグループ間での学びを進めていく上での基礎資料となった.