超(ウルトラ)丹波帯 : 西南日本内帯の一構成単位(舞鶴地域の例)
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概要
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舞鶴帯と丹波帯の境界部には,岩相雁字・地質構造・ペルム紀放散虫化石群集の特徴からみて両地帯のいづれにも属させ難い狭長な地帯が特徴的に出現する.この地帯を超丹波帯と命名する.超(ウルトラ)とは丹波帯の構造的上位に位置するという意味である.京都府舞鶴南方の,舞鶴帯南縁夜久野コンプレックスに構造的に南接する地域を調査した結果,次の諸点が判明した.超丹波帯の層序は下位より(1)珪質岩・泥質岩極細互層,(2)泥質フリッシュ層,(3)オリストストローム層からなる.(1)はペルム紀中世後期ないし新世の放散虫を産し,(2)はnassellarian放散虫を含み中生代(初期?)である.(3)のオリストリスは(1)と同様の化石を含む.年代の判明した(1)の岩相は舞鶴・丹波帯の同時代層の岩相の中間的性格をもつ.一方本帯のペルム紀放散虫群集は丹波帯のとは主構成種が異なる.本帯の構成層とくに下部層基底部ははげしく行状化し,地質構造上は本帯は舞鶴・丹波帯間の南に向くいちじるしいスラスト帯(後生的に高角変化)に相当している.構造的下位の丹波帯(II型)はジュラ紀中世までの化石を含むので,本帯はジュラ紀中世以降の主要なスラスト帯を代表するものである,超丹波帯の識別は先ジュラ紀古地理の復元に重要であると共に舞鶴・丹波帯の境界の追跡に有効なキーを提供するものである.
- 地学団体研究会の論文
- 1985-05-25
著者
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カリドロア M.
Department Of Geosciences Osaka City University
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市川 浩一郎
Department of Geosciences, Osaka City University
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シャルベ J.
Laboratoire de Geologie Structurule, Universite d'Orleans
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市川 浩一郎
Department Of Geosciences Faculty Of Science Osaka City University
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シャルベ J.
Laboratoire De Geologie Structurule Universite D'orleans