高知県横倉山東麓の下部石炭系 : 特に,同層産Aulostrotion yokokuraense(新属新種)について
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概要
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高知県横倉山東部山麓の2地点から,下部石炭紀上部ビゼー世を示すサンゴ化石を多数発見した.本論文において,上記産地の地質を報告し,あわせて同産の新属新種と考えられる四射サンゴ1種を記載する.本地域の下部石炭系を「文徳層(新称)」と命名する.文徳層は,粘板岩を主とし基性凝灰岩を爽在する厚さ200mほどの地層で,下部白亜系中の断層帯にそって幅せまく分布している。全体として,蛇紋岩中の捕獲岩状の産状を呈し,断層帯中には,下部石炭系以外に,岩相上シルル-デボン系と考えられる地層や,同じく上部ペルム系と思われる地層をともなっている.サンゴ化石は,上記基性凝灰岩中の石灰岩レンズ,および蛇紋岩中の捕獲岩として産する石灰岩プロックより産する.Aulostrotion yokokuraense(新属新種)は,Lithostrotion科に含まれるcerioid型の群体サンゴで,aulos様の軸構造をもつことを特微とする.この構造は,正規のaulosが,主セプタが軸部で湾曲し相互に連結することによって形成されるのと異なり,ドーム状に盛り上った床板によって形成されるのを特微とする.このような特微的なaulos様の構造を,新たにPseudoaulosと名づける.
- 地学団体研究会の論文
- 1980-05-25