瀬戸川層群中に産するかんらん岩中の灰長石について
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概要
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静岡県中部の瀬戸川層群中には,蛇紋岩化したかんらん岩の小岩体が,点々と分布している.これらの岩体は一般にシル状の産状を示している.このかんらん岩中には,ごく少量ではあるが,斜長石が認められる,その産状や双晶法から,これらの斜長石は,かんらん岩の初生構成鉱物であろうと思われる.X線マイクロアナライザー及び光学的な方法により,斜長石は灰長石であることがわかった.次にこの斜長石かんらん岩が,最終的に固結した条件を考察した.すなわちかんらん石と斜長石が共存しうる圧力条件は,8.5kb以下であることが,高圧実験から知られている,また高圧実験の結果から,斜長石の組成は,高圧の下で晶出した斜長石ほど,よりAb成分に富むことが知られているので,灰長石を含み,なおかつかんらん石と共存しうる岩石の形成条件は,8.5kb以浅の地かく内部であることが結論される.
- 1976-05-20