ふたたび,久野久の高アルミナ玄武岩説に反対する
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
久野(1960)は,"高アルミナ玄武岩"がアルカリ玄武岩とソレイアイトの中間的な性質を示すと定義した.その後かれは,"高アルミナ玄武岩"がアルカリ玄武岩と低アルカリソレイアイトの中間的な性質を示すと修正した(久野,1965; 1967; 1968a; 1968b).本論文では,カムチャツカ地域と千島列島の第四紀玄武岩の資料を整理し,次の2つの結論をえた.1)"高アルミナ玄武岩"は,低アルミナ玄武岩と共存する."高アルミナ玄武岩"の中間性という久野の見解は,カムチャツカ地域と千島列島では否定される.2)久野(1965; 1967; 1968bなど)は,環太平洋造山帯では,アルカリ玄武岩・"高アルミナ玄武岩"・低アルカリソレイアイトという漸移関係のあることを指摘してきたが,これは,高アルカリソレイアイトを無視した機械的な結論である.
- 地学団体研究会の論文
- 1969-05-25
著者
-
青木 斌
College of Marine Science and Technology, Tokai University
-
伊東 正喜
1st High School of Tokai University