山口県北部地方からの新記録種の報告
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概要
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萩市や長門市を擁する山口県北部地方は本州西端の日本海の南西部に面し,沖合を対馬暖流が流れている。そのため,従来から熱帯性・亜熱帯性貝類がしばしば報告されてきた(福田・他,1992など)。萩市出身の筆者は過去約25年にわたり,在郷時・離郷時にかかわらず当地方で貝類の採集を続けてきた。ことに2003年に萩博物館に赴任してからは,郷土の海洋生物の多様さを市民に普及すべく,誰にでも参加可能な打ち上げ採集を主な手段として,調査や普及イベントを頻繁におこなってきた。また,意外に思われるかもしれないが,当地方はダイビングポイントを多数擁する西日本有数の地域である。よいダイビング環境が整っているため,筆者自身が潜水調査をおこなうだけでなく,当地で精力的に潜水を続けているダイバーの方々から数多くの海中画像や情報をしばしばいただくようになった。こうした情報入手量・調査努力量の増加と,近年の海水温上昇が関連してか,従来(特に2000年以前)は当地方から記録がなかった貝類の発見がかなり多くなってきている。そのうち,2004年までに発見したものについては山口県水産研究センターと海響館との共同ですでに報告したところであるが(小林・他,2006),この報文ではそれらを再掲して詳述すると共に,以降2006年6月までの発見分をまとめて報告する。なお,本報告で図示する標本は萩博物館(略称:HH)に収蔵される。
- 2007-02-28
著者
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