Pitar japonica Ando, 1953の再記載およびPitar (Agriopoma) japonicum Kuroda & Kawamoto,1956に対する新置換名の提唱(二枚貝綱:マルスグレガイ科)
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概要
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「ウスハマグリ」の学名にはPitar (Agriopoma) japonicum Kuroda & Kawamoto, 1956が用いられてきたが,この種名は,安藤(1953)によって神戸市垂水区の中部更新統「高塚山貝層」産の「ウスハマグリ」として記載されたPitar japonica Kuroda M.S.に先取されていることが判明した。ホロタイプおよびトポタイプに基づき再検討を行った結果, P. japonica Ando, 1953は真の「ウスハマグリ」ではなく, Paphia (Protapes)スグレガイ属ヨシズガイ亜属に属する別種であることが明らかとなった。したがって, P. (A.) japonicum Kuroda & Kawamoto, 1956はP. japonica Ando, 1953の一次新参ホモニムとなる。前者は「ウスハマグリ」の学名としてすでに広く受け入れられているが,後者は安藤(1965)により有効名として使われている。したがって,国際動物命名規約条23.9(先取権の逆転)は適用できない。これらのことから, Paphia (Protapes) japonica comb. nov. (和名:アンドウヨシズガイ:新称)を提唱するとともに再記載を行った。また, P. (A.) japonicum Kuroda & Kawamoto, 1956に対しては新置換名Pitar (Pitarina) Kurodai nom. nov.を提唱した。
- 日本貝類学会の論文
- 2007-07-31
著者
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松原 尚志
Museum Of Nature And Human Activities
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松原 尚志
Division of Natural History, Museum of Nature & Human Activities
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