自助建設住宅の増築過程 : バングラデシュの都市住宅における漸次建設方式に関する研究その1

概要

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本論は、バングラデシュの首都ダッカにおいて地元の社会風土に深く根ざし、また広く普及している漸次建設方式によって建設された都市住宅について論じている。これは先進国の一般的都市住宅建設の方式と異なり、家主が自ら主体的に建設及び施工管理に関わり、資金調達の度合いに応じて漸次に建設を進めるものである。ここでは、その典型的事例としてミルプール区のポロビにあるルプナガール計画地区を採り上げ、1,089区画の住宅と持家施工者50名を対象に調査した。その結果、計画地区の75%の住宅はこの方式で建設されており、また、家主は敷地取得の後に暫く仮設住宅を設け、後に将来中層集合住宅を想定した地上階を建設して入居し、その後に資金調達と実情に併せて段階的に上部に貸室を増築する傾向が多く見られた。一連の建設活動から家主は次第に建設技術を習得して最終段階では建設速度が早まるが、完成までの期間は凡そ20-25年以上に及ぶ事も明らかにされた。
2009-02-28