生命(いのち)の大切さを伝える教授方法 : 母子健康手帳を活用して
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概要
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世界で最も長寿国となった日本は、同時に、世界で最も乳幼児が死なない国でもある。この事実の長期化が、多くの国民、とくに若年者に生命の大切さを意識させなくなった一因といっても過言ではない。そのため著者は、学生が「乳幼児の生命を守る」という保育者の責務を理解する過程において、実態として理解しにくい"生命(いのち)の大切さを教授する"手段に、学生自身の成長・発達の記録である母子健康手帳を用いることを試みた。その結果、約4割の学生に、今、自分がこの世に元気に存在することに対して、親や家族に感謝の気もちを抱くとともに、生命の大切さや保育学生としての自覚が芽生えるという効果が得られた。しかし、一方には、それを上回る割合の理解力、想像力や専門知識の乏しい学生が存在するという課題も見えてきた。