発達障害の子どもの育ちと家族支援
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概要
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子どもに発達障害があり,特にそれが気付かれないタイプである場合,親子関係の形成やそのあり方に歪みを生じさせることがある.発達障害のあるなしに関わらず,すべての子どもはまわりとの関係における相互的,循環的営みの中で発達していく.そこに,望ましい循環(正のループ)と望ましくない循環(負のループ)があると思われる.神経症症状や行動化の発現においても,子どもを巡る周囲との関係における日々の循環の様相を把握し,子どもの資質的特徴を正しく理解することで家族全体を支援し,改善を図ることが必要である.また,親側の理解の程度や親としての成長も相互的,循環的な経過をたどる.家族支援においては,子と親双方を巡る循環と,それを変えていくことでの変容の可能性を念頭に置き,全体を見通す視点と粘り強い働きかけをしていくことが求められる.