韓国の環境関連賦課金の汚染排出削減インセンティブに関する分析
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概要
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本稿では,OECD諸国の中でも,財政収入に占める環境関連賦課金の比率が最も多い韓国において,これらの経済的手段が汚染排出削減インセンティブをもたらしたか否か,独自のアンケート調査に基づいて分析した。その結果,製造業に対する排出賦課金は,水質・大気ともに汚染物質の排出量よりも排出濃度に応じて賦課され,しかも十分に排出基準を下回る濃度であれば賦課金が免除されるなどの構造から,大企業においては濃度低減のインセンティブがあり,それを通じて総量の削減にもつながったと考えられる。それに対して,中小企業では,濃度低減のための初期投資が大きく,濃度基準を守るだけでも負担が重く,規模別の効果が異なることが示された。また,サービス業等に対する環境改善負担金については,アンケート回答数が少なく,インセンティブ効果を分析することができなかったが,ヒアリング調査によれぼ,企業に一定の削減インセンティブを与えていると思われる。ただ,教科書的な理論の想定するメカニズムが働いているとは考えにくい。
- 龍谷大学の論文
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