コーラー(chora) : 神聖な演技空間(研究課題:韓国と日本伝統芸能の比較美学,I 共同研究)
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概要
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演劇学の論考では,多くの場合,役者の役割に力点が置かれている。本論ではフリードリッヒ・ニーチェが『悲劇の誕生』で論じた「理想の観客」としてのコーラス(chorus)の役割に注目して論考する。ニーチェによれば,もしコーラスがうまく機能すると,一般の観客が共演者として劇中に引き込まれるという。これに照らし合わせて,能における地謡,囃子,能楽堂の雰囲気の機能に関する金春國雄の解説を検証する。優れた上演では超越体験が得られるが,この論文ではこの体験は「コーラー」(chora)と呼んである。このギリシャ語は,宇宙の始原を説明する際にプラトンが使用したことばである。
著者
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ラザリン マイケル
Literature Department, Ryukoku University
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ラザリン マイケル
Literature Department Ryukoku University