夏目漱石『文学論』の世界史的意義 : 「暗示」の戦いと正典形成
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概要
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文学的趣味の東西での「矛盾」をどう考えるかという英国留学期以来の夏目漱石の課題は、数年後の大著『文学論』において、「正典」の形成とそれへの抵抗の様相を「暗示」の戦いという図式において把握するという理論に結実している。この「暗示」概念を中核とする漱石の理論をロシア・フォルマリズムやI・A・リチャーズなどの先駆的文学理論と突き合わせ、それらに先行した『文学論』の世界史的意義を考察する。
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