私立大学の収益事業の制度を利用した地域貢献の可能性
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概要
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研究ノート(Note)本稿は、大学の地域貢献について、私立大学の収益事業の制度を利用した新たなる地域貢献手法について考察を行ったものである。はじめに地域社会の現状を述べ、地域力の再生のためには「水平的関係」を地域社会でいかに構築していくかが基礎となる点を指摘した。次に大学の地域貢献活動について述べ、地域貢献活動の根拠が高等教育政策にあることを確認した。大学は社会的な責任である「第三の使命」を果たし、個性や特色を一層明確にするために地域貢献活動を行っているが、その地域貢献活動には潜在的に「誰が実施者となるのか」という問題が存在し、ボランティアとして実施することへの限界が顕在化する可能性がある。また、地域の側では時には限度を超えた要求もあり、継続して地域貢献活動を行なっていく上でも、対価性を有する事業としての実施が相応しい場合もありうる。そこで、私立大学には収益事業の制度が存在するため、その制度を利用した事業とすることで問題を解決する手段とすることが可能であるが、さらに制度を有効に利用することで地域貢献活動をより充実させる一手段となる方法を提案する。それは、コミュニティビジネスや社会起業を収益事業の制度の中で実施することで地域社会に貢献していく方法である。その方法について収益事業の目的や制度の面から検討し、新しい地域貢献手法の一つになりうることを見出した。
著者
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