日本・オーストラリアの社会政策比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
オーストラリアの社会政策の紹介を中心にしながら日本との比較を交えて分析を行う。オーストラリアには先住民や新移民への対応を重視するなど独自の施策があり,他の先進諸国と同様に公的年金制度・医療保障・対人社会サービスなどが整備されている。高齢化率が低く移民を受け入れ続けていることから社会全体が若く,日本に比較して年金制度の持続可能性や高齢者介護保障への関心は高まっていない。公私ミックス型医療供給システムによって医療保障が行われており,日本にとっても混合診療の可能性を探る上で参考になるだろう。障害者福祉と統合された高齢者福祉施策に関しては1980年代から在宅介護重視に転換している一方で,非営利事業者によるサービス供給と公費による報酬支払いという措置制度に似た形態で実施されている。2007年11月にラッド労働党が総選挙に勝利し,政権交代が実現した。社会政策にも何らかの影響が現れると予想される。