大学生におけるスポーツ・ボランティア活動へのニーズに関する研究
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概要
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近年,地域のスポーツ・イベントや総合型地域スポーツクラブ,スポーツ少年団,さらには全国的なスポーツイベント等において,スポーツ・ボランティアは重要な地位を占めるようになったが,スポーツ・ボランティア活動の実施率は7.3%となっており,まだまだ数多くないのが現状である.そこで本研究では,大学生を対象としたスポーツ・ボランティア活動に関する調査を実施し,大学生のスポーツ・ボランティア活動に対するニーズを明らかにすることを目的とする.その結果,以下のことが明らかになった.1)スポーツ・ボランティア活動の実施率は6.3%と決して高い実施率ではないといえるが,スポーツ・ボランティア活動の実施希望率は6割を超えており,潜在的なスポーツ・ボランティアがかなり多いといえる.学生に対してスポーツ・ボランティア活動を支援する側が実施する機会や情報を与えたりするようなきっかけづくりをすることで,スポーツ・ボランティア活動の実施率が高くなる可能性があると考えられる.2)経験したことのあるスポーツ・ボランティアの活動内容は『地域のスポーツイベント』や『日常的な活動』が主であるのが現状であったが,今後行ってみたい活動内容の結果より,学生にとってはスポーツイベントや活動の規模ではなく,「スポーツの指導」や「大会・イベントの運営や世話」を主とした活動の種類が重要であるといえる.3)多くの学生が平日の授業実施日以外である休日や大学の長期休暇に実施したいという希望があり,授業がなく時間が空いている場合は,定期的にスポーツ・ボランティア活動を行っても良いと考えていることが窺える.また,交通費や昼食代等の実費の有無や気軽にスポーツ・ボランティア活動を行うことができる支援によって,スポーツ・ボランティア活動の実施率が変わってくると考えられる.