保護検束と初期ナチ強制収容所 : ヴォルフガング・ラングホフの『沼地の兵士たち』を一例として(1)
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概要
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ヒトラーは政権掌握後、一党独裁体制を盤石なものにするために反体制派勢力への弾圧を過激化させていくが、その契機となったのが国会議事堂炎上事件であった。事件直後ただちに「国民と国家を保護するための緊急大統領令」が出され、ヴァイマル憲法の自由権が停止され、「保護検束」という名目の下おびただしい数の逮捕者が出る。この一連の流れの中で強制収容所が出現する。本論文では、この保護検束と初期ナチ強制収容所に焦点を当て、ヴォルフガング・ラングホフの『沼地の兵士たち』を一例に、生身の人間が体験した保護検束や強制収容所とはいかなるものであったのかを考察していく。その前段階として(1)では、当時の歴史的状況を概観した。
著者
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