Views of Deafness : On the Socially Constructed Meanings of Deafness in Japan
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概要
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障害者の高等教育を考えていく際、その教育制度や教育方法の根底には障害者観の問題が見られる。この障害者観の形成過程を検討するのに縦断的方法、横断的方法が考えられるが、教育問題がその社会の価値観を反映していることから社会が障害をどう受け止めてきたのかを歴史的、文化的な観点から検討することは現代の教育問題に直結する作業だと思われる。本稿は、特に、わが国の明治期以前の社会に「聴覚障害」がどのように受け止められていたかを検討する。それは、聴覚障害が目に見えない障害であり、今日の情報社会とは異なった様相を呈する明治期以前の社会で聴覚障害者がどのような社会的処遇を受けていたかを検討することは今後の障害者の高等教育を立案していく際の基礎資料になると考えたからである。本稿では、聴覚障害を身体障害という大きなカテゴリーとしてとらえ、聴覚障害が社会的にあつかわれやすい対象だったかどうかを検討した。特に身体障害と経済的行動との相関関係から検討を加えた。また、聴覚障害のための儒教的、慈善的な運動、仏教における因果応報の思想から検討した。更に、明治以前の日本においては聴覚障害者に対して態度構造が否定かあるいは肯定かを検討した。江戸幕府の社会構造を民族社会との関係から検討した。それをインドのカースト制度と比較しながら検討を加えた。聴覚障害に関することわざも現在、残っている。そうした背景にある語源も検討した。
- 放送大学の論文
著者
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Tsuzuki Shigeyuki
Shinshu University
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Nonaka Angela
Indiana University
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ツヅキ シゲユキ
Shinshu University
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ノナカ ミユキ
Indiana University