高度情報通信環境の潜在的脅威
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概要
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高度情報通信環境は、人の恣意性や知覚や対話に対して潜在的な脅威をもたらす。この情報通信環境では、アナログ情報もデジタル情報に変換されてネットワーク利用され、そこにおいて、人々のさまざまな情報活動が一元的に制御される。その一元的制御を行うデジタル清報は、画像圧縮をともない、B-ISDN上で用いられる。この広帯域の情報ネットワークは、人の恣意性を狭隘化すると共にその狭隘化を広める働きを持ち、又、人々が遠隔地間で情報交換をするときに、情報を送る側とそれを受け止める側の間の物理的空間距離を自覚させないという意味において、即ち、空間知覚を働かさせないという意味において、人々から空間知覚を奪う。それは、さらに、人々に直接的対話をさせずに間接的対話をさせるところから、人々の対話の力を弱めることにもなる。このように、恣意性の狭隘化の広まり、空間知覚の剥奪、対話の虚弱化、これらすべては、高度情報通信環境の潜在的脅威になる。
- 放送大学の論文