多文化クラスにおける評価の試み : 自己変容のプロセスをとおして見えてくるもの
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概要
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多文化クラスは学習者の背景・語学力などが異なるため評価が困難である。筆者は、評価を学習者自身の成長の機会として捉え、また心情的な側面も評価していくことが大切と考える。そのために多文化クラスの評価には、個人の内省を促し、自己開示を大きくするものが必要ではないかと考えた。本稿で紹介する総括的評価は、こうした目的のために考えたものであるが、具体的にはプログラム開示時にプログラムの影響の予想を行い、プログラム終了時に開始時のアンケートを返却した上でふりかえりながら書くという方法をとっている。この結果、終了後のアンケート結果は開始時と比べ、心情的側面に関する記述が4%から48.7%へと増えた。また、開始時のアンケートと比べ、ふりかえりの過程で具体的な体験が喚起され、自己開示が大きく、内省が促されているものが多くみられた。