女子学生の保健行動と健康に関する調査(調査報告,人文・社会科学篇)
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概要
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本学女子学生を対象に,保健行動と健康への意識等について質問紙調査を実施し,保健行動の実態を知るとともに,その背景となっている生活要因について分析した。(1)毎日,通学に3時間以上を費やす学生が約2割みられた。健康状態に特に問題となる特徴はなかったが,生活時間の配分などについて相談する機会を設ける等,追跡調査をする必要がある。(2)睡眠時間が短い人の特徴は,自宅からの通学者,通学に長時間要する人,起床時刻が早い人,就寝時刻が遅い人,自炊をしていない人,健康に関心のある人である。(3)就寝時刻が午前2時を過ぎる者が約1割いる。就寝時刻が遅いほど睡眠時間が短くなる傾向があり睡眠不足を招く。また,概して,朝食を抜く傾向もあり健康を維持する上で問題となる。(4)食事が不規則な者は約3割,朝食を「毎日食べないときもある」者は約3人に1人の割合である。健康に関心のない者,アパート等に居住する者に朝食を抜く割合が高い。(5)食事バランス尺度が低かった者の特徴は,アパート等に居住する者,就寝時刻が遅い者,健康に関心のない者などであった。寮生,専攻科生は高かった。(6)ダイエットは,半数が経験していた。その情報源は,雑誌や本,友人からの話が殆どで,誤った方法によることも危惧される。そのためか,約2割の者がダイエット実施後に体調に何らかの弊害があったと回答している。(7)月経痛について,約半数の者が「ひどい」と回答している。その対応としては,「我慢する」が6割弱である。計画的総合的な予防対策が必要であると思われる。(8)アレルギー性疾患は,約3割の者が有しており,殆どが結膜炎,鼻炎を伴った花粉症である。(9)AIDSに関して,漠然とは心配しているが,予防行動への意志が明確でなかったり,学習への意欲が少ないなど,「自分の問題」としては認識していない。(10)以上のことから,保健室,保健管理室の指導・相談の内容として,睡眠時間,食事のバランス,ダイエットの仕方,月経痛の対策,アレルギー対策,AIDSへの理解等があげられる。(9)指導・相談を特に要する対象としては,アパート等から通学する学生があげられる。
- 白梅学園短期大学の論文
著者
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