音刺激提示後の睡眠脳波の周波数分析 : 睡眠紡錘波帯域の検討(自然科学篇)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
6名の被験者(男5名,女1名,21〜31歳,平均25.8歳)を対象とし,終夜睡眠脳波記録をとり,睡眠中に提示された音刺激後の脳波の周波数分析を行った。刺激提示は睡眠段階2に達したときに開始し,NREM睡眠中に40〜60秒のランダムな間隔で行った。刺激強度は70dB,持続は60ms,周波数1000Hzのピップ音を刺激として用いた。分析は刺激提示後2048ミリ秒間の脳波記録(F3-A1, C3-A1, P3-A1, O1-A1)を500Hzのサンプリング周波数でA/D変換し,1024ポイントのFFTによりパワースペクトルを算出して行った。結果は刺激後の脳波の平均スペクトルでは,F3を中心とした10〜12Hzの遅い帯域と,P3を中心とした13〜15Hzの速い帯域の2つのピークが認められた。また,K-complexの誘発が刺激後に認められたが,その振幅が150μV以上の明瞭なK-complexが誘発された場合と,それ以外の明瞭なK-complexが誘発されなかった場合とに分類して,それぞれの平均パワースペクトルを求めたところ,2つのピークの周波数とその分布に大きな変動は認められなかった。ただし,F3を中心とした遅い帯域のピークはC3, P3へと頭皮上に広がりが認められ,6個中5個までP3でそのピークが出現していた。以上の結果から,音刺激の提示によって少なくとも2つの特定のタイプの紡錘波帯域脳波活動が明確にされた。また,それぞれの出現とK-complexの関係,および刺激に対する応答といった点から,紡錘波の示す睡眠の安定・維持機能との関係が考察された。
- 白梅学園短期大学の論文
著者
関連論文
- マウスを用いた脳機能と行動に関する研究(2007年度研究助成金成果報告)
- 脳機能の可視化 -ヒトの脳機能の非侵襲的測定-
- 音刺激提示後に出現する睡眠紡錘波に関する検討(自然科学篇)
- 公開講座 : 教師のためのマルチメディア講習会
- 学内ローカルエリアネットワークの現状と課題(人文・社会科学篇)
- マルチメディアデータを活用したデータベースシステムの構築
- 031O08 運動学習と準備電位(03.体育心理学,一般研究発表)
- 032高D02 運動学習中の認知活動と準備電位の安定性
- 0310506 準備電位と運動学習
- 音刺激提示後の睡眠脳波の周波数分析 : 睡眠紡錘波帯域の検討(自然科学篇)